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15年卒内定辞退者の傾向と16年卒向け内定者フォローのあり方

2023.02.26更新

15年卒の新入社員の研修が終わったと思えば16年卒の内定出しが始まり、さらには17年卒のプレサイトがオープンする。採用ご担当者様にとっては怒涛のような日々が続いているかと思います。今回のコラムでは、15年卒の現・新入社員の内定承諾後辞退の傾向と、そこから見えた16年卒の内定者フォローのあり方についてまとめました。

【15年卒】就活終了と内定辞退連絡に数か月のずれ~”内定辞退”を言い出しづらい傾向が顕著に~

内定者SNS「エアリーフレッシャーズ」(2016年度卒向け)を利用中の一部の内定者約3万人を対象に、辞退した内定者(内々定者)が、採用担当者に辞退の申し出をした時期をまとめました。

今回の調査では、2015年度卒向け内定者SNS「エアリーフレッシャーズ」利用企業のうち、内定承諾後に内定者を登録しており、かつ本サービス利用中に内定辞退があった324社につき、採用担当者が内定辞退者から辞退の連絡を受けた時期の分布を分析しました。

エアリーフレッシャーズにおいて、内定者として登録され、2015年4月になるまでにアカウントを停止、または削除されたユーザーは内定を辞退しています。採用担当者は辞退の申し出を受けると、それ以上内定者SNSにアクセスできないよう対応を行うため、内定辞退を申し出たタイミングを取得することができます。

グラフでは、当月に就活を終了した学生の割合の推移と内定辞退者の推移を重ねて表示しています。

就活を終了した学生の割合の推移と内定辞退者の推移

就活を終える学生が5,6月に多いにも関わらず、7月が内定辞退のピークです。これは例年とほぼ同じ傾向ですが、就活を終えても内定辞退を報告できずに放置している学生が多いことが読み取れます。

原因としては、
入社する企業を決めているにもかかわらず、他の企業に辞退の報告をしていない。
入社する会社を迷っている。
の2つが考えられます。

7月から10月までは辞退率が高止まりし、内定式が一つの大きな区切りとなっていることがわかります。大半の企業が承諾書を内定式前に回収していることを考えると、承諾書の持つ意味が薄れていることが、浮き彫りになったと言えます。

【15卒の特徴】内定式以降の内定辞退が増加傾向

2例年の傾向と比較して特筆すべきは、11月以降の辞退率の推移です。
入社する会社を決めて臨むはずの内定式参加後も他社の内定を保持し、入社直前まで辞退を言い出せていない学生も一定数いることが見て取れます。企業の採用意欲が高く、無理な繋ぎ止めや無理矢理就職活動を終了させようとする”オワハラ”といった言葉もネットニュースなどでよく見かけるようになりました。

就活生、内定者がこういったニュースを目にする機会も増えており、辞退を決心したにも関わらず、採用担当者には入社直前まで言わずにいるというケースも聞かれます。
この傾向はスケジュールが変わる16卒において、さらに顕著になる恐れがあり、採用担当者は注意が必要です。

【16卒】「オワハラ」を恐れる学生と「内定辞退」を恐れる採用担当

すでに一部の企業において、内定出しが始まっている16卒。

一部の企業において、学生がそれ以上就活を続けぬよう、「今ここで他社に辞退の申し入れをすれば、内定を出す」といったプレッシャーをかけ強制的に就活を終わらせる”オワハラ”が問題となっています。

納得して就職活動を終えてもらうのではなく、こういった手法で内定者を繋ぎ止めることは、入社意欲を削ぎ、疑心暗鬼を助長するだけであることは明白です。いかに相互理解を深め、納得した形で入社してもらうかが、入社後の活躍を推進する上で必要なことだと我々は考えます。

一方で、採用担当者側の事情に目を向けてみると。スケジュール変更による業務の偏りと、現場からの人財採用ニーズの増加の間で板挟みだという声もよく耳にします。また、自社が”オワハラ”を行っていないとしても、内定者が辞退の連絡をすることにハードルを感じ、辞退を決断してもそれを伝えてくれない内定者が潜んでいることは、プレッシャーのかかった採用担当者からすればとても大きな不安であることは言うまでもありません。。

【16卒】「オワハラ」を恐れる学生と「内定辞退」を恐れる採用担当

採用担当者こそ、この問題を解決できる

この問題の解決策には、2つのポイントがあります。

意思決定ができず、迷っている学生を見つける

採用数が少なく、採用担当者との距離が近ければ、辞退の兆候には気付けます。一方で多忙を極める採用担当者に一人一人の内定者との関係性を密接にすることを求めるのは昨今の新卒採用を取り巻く環境を考えれば酷な話です。個別対応をする内定者を絞ることが現実的ではないでしょうか。そのためには内定者が迷っていることを告白できるような関係性を作り、一緒にその迷いを解消していくスタンスを示すことが重要と考えます。

迷っている内定者に対しては、面談や社員との引き合わせ、不安解消につながる情報の提供を行っていき、納得して入社を決めてもらうのか、結論として辞退となるのか、いずれにしてもそれを早く決定してもらい、伝えてもらう事で企業としても次の手を早めに打てることになります。

新卒採用・内定者フォローが上手く行っている企業ほど、無理な繋ぎ止めに頼らず、学生にとって競合他社に行った方が良いと採用担当者が思えば、そうアドバイスしているという話を聞きます。

迷いを取り除き、早期の意思決定を促す

内定者が意思決定をするために重要なのは情報提供です。採用活動の前半においては、様々な情報を提供し、自社にエントリーするように、選考プロセスに乗ってもらえるように努力するにも関わらず、いざ内定を出すと提供する情報量が一気に減ってしまうというのは非常に悲しい事です。

内定者になったタイミングこそ、より情報を提供すべきです。それが入社への不安を解消することにつながり、入社へのモチベーションを高める施策だと考えます。内定者が入社後のイメージを持てるようになれば意思決定において迷うポイントも少なくなります。

また、その企業の”人財”に対する考え方は、内定者フォローへの注力具合を見ればわかります。内定者フォローは学生から社会人になる準備期間であり、次のステップは新入社員研修や配属、OJTです。採用した人財の活躍を真に願う企業なら、この大切な準備期間に不安を解消し、いかにモチベーションが高い状態で4月を迎えてもらうかに力を割かない訳がありません。

ここで、無理をして”オワハラ”をしてしまっては入社後にその代償を払う事になります。

迷いを取り除き、早期の意思決定を促す

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