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コラム

内定辞退を避けるには、内定者をどうフォローすればよいか

内定辞退を避けるには、内定者をどうフォローすればよいか

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2016.05.23

内定辞退は、採用担当者であればできる限り避けたいものです。最新の傾向と見えてきた課題、解決策をまとめました。

2016年卒の内定辞退率は1.2倍に増加、8月にピーク

内定者SNS「エアリーフレッシャーズ」(2016年度卒向け)を利用中の一部の内定者約3万人を対象に、辞退した内定者(内々定者)が、採用担当者に辞退の申し出をした時期をまとめました。

近年の新卒採用スケジュールの変移

本調査の対象企業においては、2016年卒の辞退率は2015年卒と比べ1.2倍となりました。今回は調査対象を「エアリーフレッシャーズ」利用企業のみとしていますが、エアリーフレッシャーズを利用することで平均20%以上の辞退率改善効果があったというアンケート調査結果が出ていることから、一般的な辞退率は本調査結果に比べて高いことが推察されます。このデータによって新卒採用の選考スケジュール変更による辞退者数の増加が裏付けられます。


2016卒では2015卒と同じく入社直前の1〜3月に辞退が増加しています。オワハラが注目を集め、「人事に内定辞退の申し出をしたら怒鳴られた」などといった情報がある中、辞退を決めた学生がそれを人事に伝えないケースも引き続き多発しているようです。


採用担当者もこれには困惑しており、「3月31日にいきなりメールで、『入社できないので、辞退します。』という連絡が来て、状況を聞こうと連絡をしても、電話もつながらない」(金融) といった声も聞こえてきます。たとえ大手であっても内定承諾率が50%を切るような企業も多く、売り手市場において、新卒採用を成功させる難易度はますます高まっています。

来年も同様の課題

2017年卒においても引き続き企業の採用意欲は高く、売り手市場になることが予想されます。さらには主要経済団体加盟企業の内々定出しが8月から6月に前倒しされ、今年も今まで誰も経験したことのない採用スケジュールでの採用活動を強いられます。昨年は8月より前に先行して内々定を出していた企業も、本年の対応状況は様々です。就活中の学生も、まず内々定を確保することを優先して動くでしょう。各社それぞれの思惑を持ってスケジュールを組む採用競合の動きも気にしながら学生の本音を引き出し、自社への志望度を確認していく必要があります。

①学生の意思決定が遅い
②辞退が多発
という課題は来年も起こりそうです。

採用成功企業の共通点は“見える化”と“コミュニケーション”

では、採用成功企業はどう対応しているのか。各社様々な変化に対応し、新たな施策の実施も含め、柔軟に前年や過去のやり方をブラッシュアップしているように思います。いまや前年踏襲、例年同様では、採用は成功しません。一方で本質的な部分で変えない部分も持っているように見受けられます。内定者フォローにおいては、「学生の状況の“見える化”」と「密なコミュニケーション」がそれに当たります。


まずは、「学生の状況の“見える化”」です。人事からの連絡に対する内定者の反応、メールの返信や提出物の内容、提出のタイミング、懇親会をはじめとしたイベントへの出欠などは内定者の入社意欲と直結しています。内定者SNSでは、辞退者の傾向を分析し、人事にアラートを挙げる機能「辞退予備群発見機能」を搭載しており、プロフィール項目の登録率やログイン頻度は辞退傾向と強い相関関係があることが分かっています。


辞退が多発する時期を狙って内定者SNSを通じてグループワークを実施し、ワークへの参加状況を確認する中で、辞退しそうな学生を見つけるという企業も増えています。様々な要因で採用担当者が多忙化する中、ツールの活用も大きなポイントになっています。


次に「密なコミュニケーション」です。選考段階で人事と学生の距離が縮まっていることが前提だと思いますが、不安や懸念があったときに相談を受けられる関係性にあることは採用担当者の精神衛生上もメリットがあるのではないでしょうか。内定者フォローの一環として内定者SNS内で月に1回、写真付きの近況報告を投稿させることで学生の人となりを理解し、採用担当者も同じくプライベートの写真を投稿し、学生の投稿にコメントすることでお互いの距離を縮める工夫をしている企業もあります。


社風や仕事を理解してもらうことは入社後のギャップ軽減にもつながり、入社後の活躍のための素地を作るうえでも、重要視すべきポイントです。採用人数に対して採用担当者が少なくマンパワーが足りないという企業では、学生数名をグループにして、そこで社員インタビューやグループワークを実施してもらい、グループ単位でフォローすることで限られたマンパワーでも最大限、学生と密にコミュニケーションを取る工夫をしているという事例もあります。


ここまで挙げた2つのポイントを実施できている採用担当者からは、 「オワハラのメカニズムを『採用担当者が学生の状況を把握せず、上司から不意に状況を聞かれ、慌てて本人に連絡し、焦りのあまり高圧的な態度になる』と学生に説明し、『皆さんにそんな思いをさせたくないので、皆さんの他社選考の状況は教えておいてね』と伝え、他社選考状況を聞いている」というエピソードを聞いたことがあります。これも採用担当者と学生の信頼関係があるからこその事例です。学生の気持ちに寄り添い、密にコミュニケーションを取ることこそが、環境の変化に適応した内定者フォローを可能にするのです。


「多忙で学生と密にコミュニケーションを取ることができない」「内定者の状況に目を向ける余裕がない」という企業ほど、改善できる点としてぜひ内定者フォローを意識してほしいと思います。それを実施しないということは、どれぐらいの大きさの穴が開いているか分からないバケツをいっぱいにしようと水をひたすら注ぎ続けることと同じです。穴の大きさを把握して、それを埋める努力をすることで、採用を成功させましょう。