内定者フォローツール「エアリーフレッシャーズクラウド」では、サイトの利用者(=内定者約3万人)の状況と就活状況を分析し、内定承諾後辞退を巡る企業と学生の動向について明らかにしました。
ポイント!
■ 採用スケジュールの変更で就活準備期間が短縮化、判断材料不足で“決められない学生”も増加
■ 「オワハラ」の一人歩きで本音を言い出せない学生たち 安易な内定承諾で一時しのぎ
■ 本音を言い出せないままの「サイレント辞退」、戸惑う企業と一部の企業による「サイレントお祈り」の発生、企業と学生のコミュニケーション不足は深刻に
選考解禁時期の後ろ倒しで就活準備期間が短縮化、決められない学生も増加
新卒採用において、採用情報や選考開始の解禁時期の変更が、この2~3年で相次いでいます。
2017年卒は、採用情報解禁は昨年と変わらず3月、選考解禁時期は2016年卒の8月より2ヶ月前倒しの6月へ変更となりました。そのため、企業・業界の情報収集や自己分析、エントリーシート作成などに費やす時間が短縮され、学生は、就職活動準備が整わないままに選考ステップへと進まざるを得ない状況です。また、内定を決める段階においても、入社の意思決定をするだけの判断材料が不十分であるため、結果、決められない学生が内定を複数保持し続ける傾向が見受けられました。
今後も同じ採用スケジュールで進むと予想されます。学生は計画的な就職活動準備が、企業は入社の意思決定につながるコミュニケーションを図ることが、より求められると考えています。
「オワハラ」の一人歩きで、本音を言い出せない学生たち 安易な内定承諾で一時しのぎ
売り手市場が続く新卒採用において、学生は一人当たり平均2.40社、複数社の内定を取得する学生は60%以上と言われています(※)。
特に、2016年卒は、採用活動ルールがより拘束力の強いものとなり、選考解禁時期が8月に後ろ倒しに変更されました。企業の内定出しが集中したことも重なり、学生の複数内定の保持と辞退を巡り、一部の企業による「オワハラ」(=就活終われハラスメント)が問題となりました。 2017年卒は、一人歩きした「オワハラ」を警戒し、複数内定を保持していることや進路に迷っていることを企業に言い出せず、“とりあえず承諾しておこう”と安易に内定を承諾することでその場をしのぐ学生が増加しました。
※株式会社リクルートキャリア
「2016年8月度(8月1日時点) 就職内定状況(2017年卒)」【確報版】-【「就職活動・内定状況」と「就職活動に対する心情」について】
「サイレント辞退」に戸惑う企業、そして一部の企業による「サイレントお祈り」が発生、学生とのコミュニケーション不足は深刻に
安易に内定を承諾した学生は、その後ますます、内定辞退を企業に言い出しづらくなります。なかには、企業へ連絡をしないまま別の会社へ入社を決めてしまうケースも見られます。連絡もなく内定を辞退する学生(=サイレント辞退)や決められない学生の増加に企業も戸惑いを隠せません。内定者を確保するために、追加で内定を出せるにように選考結果の連絡を遅らせるなどの対策(=サイレントお祈り)に舵を切る企業が一部で発生し、2017年卒は、内定辞退を巡る“サイレント問題”へと発展しています。
このように、採用スケジュール変更や決められない学生による安易な内定承諾に起因する企業と学生のいたちごっこは、年々、双方のコミュニケーション不足に拍車をかけ、深刻化しており、内定後の双方のコミュニケーション機会の充実が鍵と言えるでしょう。
内定者とのコミュニケーション強化で導入社数110%の内定者SNS「エアリーフレッシャーズ」
この企業のサイレント問題や就活生のサイレント辞退の解消は、内定者と企業が、内定後も継続的にコミュニケーションを取ることです。
内定者SNS「エアリーフレッシャーズ」は、内定受諾した学生に、SNSを用いて情報や研修などの連絡を頻繁にすることで、企業の人事担当者と学生の心理的な距離が縮まり、意思決定における迷いを相談しやすい関係づくりが可能です。SNSは現代の学生にとって電話やメールに比べて気負うことなく、気軽に相談ができる窓口になります。コミュニケーション方法の変化と就活市場の活況により、特に、企業と就活生との間のサイレント問題が注目された今年の2017卒内定者SNS同サービスの導入社数は昨年比で110%と増加(2016年8月時点)しています。
導入している企業の担当者からは、
「内定辞退するかどうか悩んでいる内定者を、内定者SNSがあることで気づくことができ、人事として現状に一歩踏み込み学生の立場に立って相談にのることができる。そうすることで学生の悩みも理解でき、一緒に最良の状態を考えられるので、一人で悩んでズルズルと意思決定が伸びることはない」 という声が聞かれています。
単なる就職先と内定者との関係を超え、相談相手としての価値が生まれており、“サイレント”という双方にとって最悪の事態を回避するために活用されていることが伺えます。
内定者フォローの目的や設計については、以下の記事で詳細に解説しています。
内定者フォロー3つのポイント〜時期ごとの対応法〜
こちらの記事も、ぜひご覧ください。