LINEを使った内定者フォローについてのお問い合わせが急増しています。40万人以上、5,500社以上に内定者フォローツール「エアリーフレッシャーズクラウド」を提供してきたEDGEは内定者フォローのパイオニアです。
さて、2023年11月にLINEヤフーの個人情報44万件流出が大きく取り上げられました。同年8月には旧ヤフーが個人情報取扱いに関する行政指導を総務省から受けています。LINEヤフーは総務省からの行政指導にもかかわらず、改善の具体策が示されていないと判断され、2度目の行政指導を受けたことが大きく報道されました。このように個人情報の流出事件や事故は大きく報道され、企業のイメージ低下にもつながります。最近では「便利だから」「無料だから」と新卒採用にLINEを使う企業もあります。この場合、取り扱う情報が会社情報や個人情報である点に留意しなければなりません。そうでないと取り返しのつかない事態になってしまうのです。
LINEにまつわる保護者からの相談
ある日、懇意にしている首都圏の大学キャリアセンターへ訪問する機会がありました。そこで内定者フォローを中心に話を伺いました。すると、「保護者からの相談」について話を聞くことができました。
<保護者からの相談>
「内定先からFacebookグループへの参加を指示され、コンプライアンスに不安を憶えます。」
「内定先から連絡はLINEで取ると言われているが、大丈夫なのでしょうか。」
なぜ保護者がなぜ不安を抱くのか。次にあるような保護者と内定者の会話からヒントを探りたいと思います。
※ 採用担当者(採)、内定者(内)、保護者(父)
採用担当者との何気ない会話
採「内定おめでとう!今後の予定はLINEで連絡するね。IDを教えて貰っていい?」
内「はい!IDは●●●●です。よろしくお願いします。」
内定者は「LINE ID教えて良かったのかな・・・。 まだ他の会社も受けているし、そもそもLINEでやり取りするなんて嫌だなぁ・・・。」と不意に漠然とした不安に襲われます。そして帰宅後、家族との会話の中で不安は的中します。
自宅での親子の会話
父「無事に内定を取れて良かったな!今後の予定はどうなっている?父さんの会社だと内定式前にも懇親会があったり、よく内定者が集まっているよ!」
内「今後の予定はLINEで送られてくるんだって!きっと内定式前に集まると思う!」
父「LINEで連絡? LINE交換したの?」
内「うん!」
父「会社とのやり取りをLINEでやるなんて聞いたことないぞ!」
内「みんな登録してるから大丈夫!って人事の人が言ってたよ!」
父「本当か?内定者とはいえ、まだ社外の人だぞ。社外の人と社内情報をLINEでやり取りするなんて、その会社大丈夫なのか?」
内「どうして?みんなやってるって・・・」
父「会社には個人情報保護や情報セキュリティを管理する為の部門があるんだよ。法令を順守するためにコンプライアンスを強化する監査部門もある。セキュリティ担当部門からすると、無料SNSアプリを使って内定者へのコミュニケーションを許可するのは難しいと思うぞ。万が一、採用担当者が勝手にやっているとなれば、コンプライアンス違反になってしまう。担当者の方はどういう説明をしていたんだ?」
内「詳しくは説明を受けてないからわからないけど、他の会社でもやってるみたいだから大丈夫だと思うよ。」
父「うーん。父さんの会社が厳しいだけなのかなぁ。」
本来は関連部署でしかるべき確認を行なうもの
EDGEでは、内定者フォローツールだけでも5,500社以上のお取引があります。内定者フォローでのやり取りではどんな情報を扱うでしょうか。業務上必要なやり取りには、内定者の個人情報が含まれます。「外部」とまでは言い難い内定者には多少踏み込んだ社内情報も提供するでしょう。そんな情報が仮にも外部に漏洩したらどうなるでしょうか。顛末は、よく考えれば容易に想像がつくはずです。
こういった情報を扱うため、EDGEは毎年多くの「セキュリティチェックシート」の記載を求められます。また、金融系の企業を中心に毎年監査が実施されます。担当者がEDGEに来社して、情報管理体制やセキュリティ基準を確認されるのです。
EDGEとお客様の間では契約が交わされ、利用料金も発生します。そのため適切な社内手続きが取られます。そして法務や情報セキュリティ、個人情報管理の部署など、多くのチェックが入ります。しかしながら、採用担当者が独断でLINEを使っている場合はどうでしょうか。そこには利用料金も契約も発生しません。すると必要な社内のチェックをすり抜けてしまうのです。
LINEの使用で担当者が処分されるケースも発生
そしてトラブルが起こった際、然るべき社内手続きを取っていないことが発覚します。さらに会社が許可していないツールを勝手に業務利用したことが明るみに出ます。その結果、社内で処分を受けたケースもありました。
個人情報保護法が改正、強化されました。現在では、以前より厳格な個人情報の管理が求められています。併せて、世間の個人情報管理に関する目も厳しくなる一方です。何かトラブルが起こってから「知りませんでした」では通用しないのです。新卒採用担当者自身がこの辺りの感覚をアップデートする必要があります。
LINEなどのシャドーITリスク
会社が許可しないITツールやシステムを社員が勝手に業務利用することをシャドーITと言います。情報システム部門やコンプライアンス担当者はシャドーITのリスクに大きな危機感を抱いています。
たとえば内定者フォローにおいてLINEや無料のSNSを使っていたとしましょう。そして、社員と内定者にトラブルが発生した場合、無料ツールであるLINEの運営企業はログの提供を行うことや、事実関係の確認には協力してくれません。平時は気軽に使えて便利なツールかもしれませんが、何かあった時に発生するリスクは計り知れません。まさに「ただより高いものはない。」です。
問われている企業の情報管理に対する姿勢
特に新卒採用業務においては、より注意が必要です。OBOG訪問を悪用した社員が逮捕されたケースでは、学生とのやりとりはプライベートのSNSで行われていました。そして学生に対するハラスメント事案なども度々報じられています。いつ自社にそういった嫌疑がかけられて、事実確認を行うことになるかわからないのです。残念ながらそうした事態が発生した際に「社員の個人アカウントでやり取りしていたので、ログが追えません。」では許されません。
最近では、LINE連携を売りにした採用管理ツールも増えています。そんなシステムの事例紹介ページで「気軽でフラットなやり取りができるから。」と堂々とLINEを使った内定者フォロー事例を語っている企業もあります。一方で上場している大手企業の新卒採用担当者はこう語ります。「昨今の個人情報に対する風潮を踏まえると、考え方が甘すぎる。」
就活への保護者の関与も事態を複雑化させている
先ほどご紹介したキャリアセンター職員との話について、ある大手企業の採用担当者は以下のように話してくれました。
「確かに、このようなケースは予想できます。最近は保護者が子供の内定先に干渉してくる割合が増えているからです。数年前から採用活動にLINE、Instagram、TikTokを活用する企業は増えてきました。採用活動を広報活動と位置づけてSNSを通じた情報発信に取り組んでいるのです。
一方で、学生個人とのやり取りはリクナビやマイナビといった就職ナビサイトで展開しており、内定後は電話やメールが中心でした。しかし、採用広報活動で使っているからという理由で、安易に利便性を優先し、無料で利用できるSNSを内定者とのやり取りに使う企業が増えたのです。
ところが、最近は状況が変わっています。採用担当者の設定ミスにより内定者の情報が外部に漏れたり、個人情報にまつわるトラブルや事件が大きく報道されているためです。
「非公開」のはずなのに……Facebookで内定者リストがダダ漏れ? 公開範囲設定に注意を(ITmedia NEWS)
企業側の意識も変わりはじめている
こういった状況を敏感に感じ取り、社内で確認した上で利用を取りやめる企業が急増しています。特に大手企業に勤める保護者は、昨今の個人情報にまつわるニュースに敏感です。社内で周知されているルールも見聞きしており、危機意識も高まっています。そんな中で、意識の低い新卒採用担当者の対応に不安を覚えるのは当然のことです。子どもに迷惑が掛からぬよう、内定先企業に直接聞かず、キャリアセンターに相談が行くのも自然な流れだと思います。」
この話を受けて、大学キャリアセンター訪問の際に同様の相談があったかを伺います。じつに5大学中4大学で類似の話があったとのことでした。
多忙であることは言い訳にならない
新卒採用担当者の繁忙期時は実務タスクが山積みで、他社情報に触れる機会がそれほど多くありません。コンプライアンスに違反している意識は全く無い中で、前年踏襲で無料のSNSやLINEを使った内定者フォローを始めているケースが多いでしょう。しかし、年々強化される個人情報保護や情報セキュリティ・コンプライアンスに対して、より適切な対応が求められています。大学キャリアセンターや保護者はもちろんのこと、内定者の信頼を失ってからでは遅いのです。
このような背景がある中で、セキュリティ対策も万全で、大学や金融機関、地方公共団体などの公的機関、多くの上場企業からも選ばれている内定者フォローの定番サービスが「エアリーフレッシャーズクラウド」です。詳細は、資料ダウンロードより資料請求していただけます。
セキュリティ対策や個人情報保護対応も万全で、トラブルがあった際にログを追うことができ、効果的かつ効率的な内定者フォローを実現されたい場合は、5,500社以上の内定者フォローを支援してきたEDGEにぜひご相談ください。
内定者フォローの目的や設計については、以下の記事で詳細に解説しています。
内定者フォロー3つのポイント〜時期ごとの対応法〜
こちらの記事も、ぜひご覧ください。