年々と難易度が上がる新卒採用活動。
みなさまの採用活動はいかがでしょうか。採用担当者の皆様は選考真っただ中、また内定承諾の獲得に向けたラストスパートに奔走されている企業様など、最繁忙期を迎えられている時期ではないでしょうか。
この時期、人事担当者からは「選考中の学生への対応を優先するあまり、内定者フォローまで手が回らない・・・」という悩みを耳にします。売手市場の影響を受け、内定承諾を得ることが年々難しくなっています。
手厚く内定者へのフォローを展開したい反面、決断は内定者自身がするものであり、過度に意思決定に携わることはマイナスであると考える人事担当者が増えているのも実情です。
内定者つなぎとめに人事奔走(日本経済新聞)
選ばれるのを待って何もしないのでは、採用業務を完遂できない
確かに、「入社してください」と頭を下げるのも、内定者に対してチヤホヤし過ぎるのも、入社後を考慮するとマイナス効果になることが懸念されます。その為、内定者に対して良い意味での放置を敢行する企業が増えつつあります。「人事に説得されたから入社を決めました」と言われても、正直困ってしまうのが人事担当者の本音です。
とはいえ、選ばれるのを待って何もしないのでは、採用業務を完遂したとはいえません。内定通知は経営陣が下したジャッジです、会社の将来を見据えた大きな経営判断でもあります。内定者をその他大勢の就活生と一緒に扱うのではなく、自社を成長させ自社の将来を託す人財として確実に入社させるまでが採用活動です。
自社とA社で悩んでいる内定者に対して、人事担当者としては「自分の力で調べ、悩んで、自社を選んで欲しい」と考えるものです。その為、良い意味での放置が増えつつあります。しかし、自社が何もしない間にライバルA社が内定者へ接触し、入社意欲を高められるよう企業努力に励んでいる可能性があります。その結果、「A社への入社を決断しました」と辞退連絡が届いてしまいます。
ここで注目したいのが、決断理由です。
内定者が何を不安に感じ、辞退を決断したのかを知る必要があります。A社の人事担当者は学生の不安を聞き出し、それを解消する情報を提供していたとします。
例えば、「出産後の復帰」というテーマだった時に、A社が伝えた内容で内定者は不安を解消し、入社を決断したかもしれません。 しかし、A社と比較した場合に、自社の方がより制度も整い実績も多数あったとしましょう。同じ相談を同時に受けていれば、比較検討のうえ自社を選んでくれたかもしれません。しかし放置している場合、内定者が自社へ相談してくるのは、A社の回答で不安が解消されなかった場合のみです。
決断する為の材料、情報提供は人事担当者の大切な仕事
近年、エアリーフレッシャーズを初めとした内定者サイト(内定者SNS)を導入する企業が急増しているのも、的確なタイミングで効率よく情報提供するためです。前年の内定者から承諾に至った経緯や承諾前の悩みをヒアリングし、内々定者に対して情報提供することが最も効果的です。内定者から悩みを聞き出し、都度対応することは難しく、過剰なフォローと映りかねません。
そこで、内定者サイト(内定者SNS)内に掲示板やブログのようなコーナーを設けて情報提供しておきます。承諾を悩んでいる内定者は掲載されている情報を自ら見つけ、判断材料として活用してくれます。全ての内定者に個別フォローを展開して悩みを解消していくのは、限られたマンパワーと限られた時間の中では非現実的です。内定者に意思決定を委ねるのであれば、人事担当者側も判断材料として必要と想定される情報は先に提供しておくことが必要です。他社と比較された場合、有利にはたらく情報を事前に提供(掲載・投稿)しておくことが内定承諾を獲得するうえで効果を発揮します。
内定者フォローの目的や設計については、以下の記事で詳細に解説しています。
内定者フォロー3つのポイント〜時期ごとの対応法〜
こちらの記事も、ぜひご覧ください。
売手市場化の影響を受け、内定辞退の増加が懸念される昨今、前年踏襲によるフォロー施策に加え、新しい取り組みに挑戦されてみるのはいかがでしょうか。限られた予算と人員で最大限内定者フォローの効果を高める事例、ノウハウが必要な方はEDGEにお問い合わせください。