前回はオープンカンパニーの効果を最大化させる手法としてインターン開催後の情報発信について紹介しました。インターンシップ後の情報発信を事前に企画し、参加者フォローのプログラムとして準備しておくこが重要です。2週間に1度のペースで定期的に情報発信することで、翌年3月の広報解禁日まで自社への興味を維持し、母集団形成へ繋げることが可能となります。
オープンカンパニーを実施する企業が急増する中、大学キャリアセンターでは大学と企業が共催する提携型インターンシップへの参加希望者が激減するという事態が発生しています
提携型インターンシップは教育目的で実施されるため、今時の学生には就活においてのメリットが実感できず、企業主催のインターンシップの方が就活における見返りが期待できると考える学生が増えています。企業の立場からは、インターンシップへの参加が内定獲得に直結するわけではないという考え方が定着していますが、内定者の70%がインターン時期に対象企業への応募を決めており、オープンカンパニーと採用活動の関係は切り離して考えられないのが実情です。
提携型インターンシップの場合、大学キャリアセンターが母集団を形成してくれるメリットがあり、当日のキャンセルもなく、想定通りの人数で企画したプログラムを実施できます。一方のオープンカンパニーでは、就職サイトに掲載する内容や企画・プログラム次第で参加者が増減してしまいます。手間暇をかけて集めたエントリー学生を確実に参加者として確保し、リピーターとして翌年3月まで導くことが求められます。
今回は、インターンシップ当日の出席率を飛躍的に向上させ、2回目以降のインターンシッププログラムへ参加するリピート学生の獲得にも成功している企業の事例を紹介します。
【インターンシップ次回参加に繋げる企画】インターンシップ前後の情報発信
オープンカンパニー前後の情報発信は大変重要です。以下のような内容で学生への情報提供に取り組んでいます。
① インターンシップ開催前には「昨年」の様子を画像や動画で情報提供
② インターンシップ開催後には「当日」の様子を画像や動画で情報提供
情報提供する内容として、開催前には昨年の様子、開催後には今年の様子を発信するだけです。オープンカンパニーに参加する学生は、就職サイトから内容やプログラムを確認しているだけで、当日どのようなことが起こるのか不安に感じています。事前にインターンシップの様子を見ることができれば、安心して当日を迎えることができるようになります。
この企業では、インターンシップの様子を事前に情報提供することで、参加に対する心理的ハードルを下げ、当日の出席率を70%から95%へ改善するという効果が得られました。また開催後には、当日のプログラムや内容についての復習ができるよう企画されており、インターンシップの振り返り動画を配信されています。
動画制作というと手間暇がかかり難しい印象を与えるかもしれませんが、各プログラムの様子を録画するだけなので、写真撮影のような感覚で気軽に実施することができます。グループワークやプレゼンテーションの様子、人事からのフィードバックなどを配信し、インターンシップの内容を思い出させ、参加した日の楽しさや充実感・達成感などインターンシップの余韻を抱かせることで、次回インターンへの参加意欲や自社への興味を高めることが可能となります。
上記を実践している企業では、インターンシップの様子を開催後に配信することで、学生のリピート率を85%まで向上させることに成功しています。
人事担当者が時間と労力をかけて企画したインターンシップ、当日の欠席者が予想を上回ってしまい予定通りにプログラムが実施できない、想定していた内容で進められないという悩みを耳にする機会が増えています。インターンシップ前後の小まめな連絡を徹底することがインターン成功の鍵を握るといっても過言ではありません。学生への事前連絡は、採用担当者にとって負担であり、学生の反応が確認できない就職サイトやメールでのやり取りは大きなストレスにもなっています。そこで、エアリーフレッシャーズを活用し、学生への情報発信を一元管理、未読・既読など学生の状況を見える化することに注目が集まっています。