前回はインターンシップ前後の情報提供について紹介しました。開催前にインターンシップの様子やプログラムを紹介することで、出席率を大幅に向上させることができ、また開催後の情報発信でリピーター獲得にも効果を発揮することができます。
インターンシップから母集団形成へ!
様々なインターンシップが乱立する中、エントリー者を獲得することは年々難しくなっています。せっかく獲得した学生を翌年3月まで繋ぎとめることも大きな課題となっています。自社のインターンシップに参加してくれた学生に対して、どのようなアフターフォローを展開することが選考参加者の獲得に結び付くのか。リピート学生の獲得に成功している企業がインターンシップ後に実践しているフォロープログラムを紹介します。
インターンシップ後に自社の事業内容や社風が伝わる動画を配信し、インターン参加者の興味を惹きつける手法です。
具体的には、以下のような内容を撮影し、配信しています。
・先輩社員インタビュー
・オフィスの様子
・社内行事の様子
就活生にとって最も知りたい情報は、先輩社員の働き方です。年齢の近い社会人がどのように働いているのかを知り、自分自身の将来を想像します。自分が働いているイメージ、活躍できるイメージを得ることが、志望度向上には必須です。
就職サイトでは、先輩社員情報が掲載されていますが、売手市場の昨今では、よほど志望度が上がらない限り掲載記事を熟読する学生はいません。動画で情報を入手することが日常的であり、動画情報から理解を深めることを得意とする学生世代には、写真や文章よりも動画が最も効果的な情報伝達手段となります。
また、先輩社員のインタビュー記事を作成するには、対象社員とのインタビュー時に写真を撮影し、終了後に文章を作成する必要があります。そして上司や対象社員へ記事の確認を依頼し、修正を重ねてようやく完成します。1つの記事が完成するまで1~2週間ほど必要になるといわれています。
動画制作では大幅に業務時間を効率化することが可能です。先輩社員へのインタビューをスマートフォンで撮影するだけです。伝えたい内容だけを撮影するので、30秒ほどで完了します。30秒というと短く感じられるかもしれませんが、動画であれば伝えたい内容は充分に収まります。逆に1分を超えるような動画では学生に閲覧してもらうことは難しいです。撮影される側も時間を持て余してしまいます。最近では「タイパ(タイムパフォーマンス)」が重視されています。対象の社員も人事担当者も、事後処理が不要で、撮影する時間だけで業務が完了できるという点が最大のメリットです。
先輩社員には以下のような質問に答えてもらいます。
・自社を選んだ理由は?
・現在の仕事内容は?
・仕事のやりがいは?
・職場の雰囲気は?
それぞれの項目を30秒以内で撮影し、データをストックして小出しに情報発信していくことがポイントです。先輩社員に限らず、経営者や管理職からのメッセージなども自社への興味を惹くためには効果的です。
また、職場の様子をそのまま撮影したり、社内の厚生行事や歓送迎会・忘年会の様子などを撮影することで自社の社風や雰囲気を伝えることができます。文章では伝えきれない社風や雰囲気をインターン参加者へ体感させることができます。他社のインターンシップでは得られない生の情報を獲得することで、参加学生は自社に興味を持ち、志望度を高めていきます。こちらの企業では、毎週水曜日に新しい動画を投稿し、インターン参加者へ定期的な情報配信を実施しています。
動画を使った情報発信企画が流行
動画制作というと少しハードルが高い印象を与えるかもしれません。しかし、スマートフォンが普及した今、従来の記事作成よりも大幅に業務負荷を軽減することができます。採用担当者の業務負荷を軽減し、残業を減らす、そんな働き方改革にも動画配信は効果を発揮します。
インターンシップを1日で終わらせるのではなく、インターンシップ後にどのようなプログラムを組んで参加者をフォローしていくのか、インターンシップを企画する際には是非アフターフォローの内容も検討しておくことをお勧めします。上記を実践している企業では、インターン参加者の90%が自社の選考にチェレンジしており、1DAYインターンシップの効果を最大化することに成功しています。
定期的な情報発信が接点継続には重要
人事担当者が時間と労力をかけて企画したインターンシップ、せっかく獲得した母集団を翌年3月まで繋ぎとめるためには、インターンシップ後の小まめな情報発信を徹底することがインターン成功の鍵を握るといえます。学生への情報発信は、採用担当者にとって負担であり、学生の反応が確認できない就職サイトやメールでのやりとりは大きなストレスにもなっています。そこで、エアリーフレッシャーズを活用し、学生への情報発信を一元管理、スマートフォンを通じたプッシュ通知を活用して、未読・既読など学生の状況を見える化することに注目が集まっています。