インターンシップについて、EDGEではさまざまな企業様のインターンシップ設計をサポートしています。こちらのコラムでは、インターンシップ設計の参考事例として活用できる各社の取り組みを紹介します。
今回ご紹介する企業は、インターンシップを個別から集団へ切り替え、母集団形成に成功した事例です。
インターンシップのカギは「共通体験」
個別重視のインターンシップ
A社では、これまで就業体験にこだわったインターンシップを開催していました。しかし、インターンシップの企画上、1回あたりの受け入れ限界が3名まででした。学生に対して個別対応すべき内容が多く、採用担当者の負担も大きくなっていました。そのうえ時間は限られ、年間4回しかインターンシップを開催できませんでした。インターシップ参加者の満足度は非常に高いものでした。しかし、手間暇と労力をかけて年間10名程度の母集団しか獲得できていませんでした。決して効率の良いインターンシッププログラムとはいえませんでした。
25卒からはいわゆる、採用直結型インターンシップ解禁がありました。それを受け、インターンシッププログラムを大幅に見直すことになりました。ポイントは個別対応から集団対応への切り替えです。少人数での開催では、満足度を高めることは比較的容易です。しかし売手市場化が進む中、1人でも多くのエントリー者を獲得したいのが採用担当者の本音です。
A社では、長年こだわり続けてきた就業体験プログラムのインターンシップを廃止。1回30名程度を受け入れられるインターンシップへ変更しました。従来のように1対1のきめ細かいサポートは不可能となりました。そこで参加者の満足度を高めるため「共通体験」をキーワードにインターンシッププログラムを設計しました。
共通体験は絆を生み出す
きっかけは、自社の新入社員研修でした。全国各地から集まった新入社員が研修を終え、配属先へ旅立つ時。人事担当者や先輩社員には立ち入ることのできない確固たる「同期の絆」が生まれています。この一体感と絆が新入社員のメンタルを支える武器になります。職場は違えど同期で助け合いながら一人前の社会人へと成長させてくれます。
この絆を育んでいるのは、研修で得られる「共通体験」であると考えました。インターンシップ参加者も、「共通体験」から絆を育み、仲間で自社への興味を高め合う。それができれば、インターンシップの満足度も向上するはずだと考えました。インターンシップ開催は従来通り4回、合計120名が参加しました。新たなプログラムでは、そのうち100名が自社の選考に挑みました。従来と同じ開催回数にもかかわらず母集団数は10倍、新たなインターンシップの成功例といえます。運動会ではじめまして 体験共有でチーム構築(日本経済新聞)
共通体験を生み出すインターンシッププログラム
共通体験を生み出すインターンシップとは、どのような内容で企画されていたのか。ここでプログラムを紹介します。
営業体験ワーク
まず営業体験ワークでは、取り扱い商材と業界の特徴について学びます。その後営業チームと顧客チームに分かれて、商品提案を実施します。5人全員で営業活動するのではなく、社長・経理部長・営業部長・営業・営業事務と役割を分担します。各々が担当業務を遂行し、連携しながら商品を提案していきます。1回の商談を終えると営業チームと顧客チームが入れ替わります。役割もローテーションすることで、全員が全ての業務を体験できます。
会社説明プレゼン
先程の共通体験を活かし、次は会社説明プレゼンを実施します。会社説明プレゼンでは、営業活動を通じてグループ全員で学んだ内容をまとめて発表させます。これも共通体験であり、発表用の資料を共同制作するという共通体験が得られます。
リクルート動画制作
そして最後はリクルート動画の制作です。ここまで自社の会社説明プレゼンと営業活動を通じた疑似就業体験を終えています。これまでの活動を踏まえ、採用広報を目的とした1分動画を制作します。自分たちの想いを込めて、就活生に企業の良さをアピールする動画を制作します。そのうち就活生から企業側の立場になって作業に取り組むようになり、自然と自社への愛着やロイヤリティが醸成されます。完成した動画は上映し、仲間と鑑賞します。達成感と充実感から感動して涙を流す学生や抱き合って喜ぶ学生の姿が見受けられます。
仲間と目標に向けて取り組む中で得られる一体感と絆。インターンシップを通じて得られた仲間の輪はインターン終了後も継続する人脈となっていきます。その結果、自社の説明会に足を運び、選考に挑んでいく学生にとっても、企業にとっても理想的なインターンシップが生まれています。
ICTを活用して採用担当者の負担減
インターンシッププログラムの中で、業界説明や営業レクチャーを実施したり、プレゼン資料の編集、動画を制作させ上映するなど魅力的な施策はたくさんあります。しかし、新たな取り組みには採用担当者の負担増が課題となります。
そこで専用のツールを用いて、業務の効率化や内定辞退の防止に注目が集まっています。エアリーフレッシャーズクラウドは、内定者フォロー専用に開発されたツールです。内定者フォロー業務を効率化し、全ての時期において効果のある内定者フォローを支援します。働き方改革が注目される昨今、人事担当者にとっても学生にとっても負荷なく最大限の効果が得られる手法を検討されるのはいかがでしょうか。
インターンシップ参加学生の獲得と企画内容。その後の接点継続やエントリー者の歩留まりを向上させる事例、ノウハウが必要な方はEDGEまでお問い合わせください。