インターンシップについて、EDGEではエアリーフレッシャーズご利用企業様のインターンシップ設計をサポートしています。こちらのコラムでは、インターンシップ設計の参考事例として活用できる各社の取り組みを紹介します。
【前回コラム】「動機付け要因」に注目しインターンシップ参加学生を母集団形成につなげる
今回は企業の事例でなく、大学キャリアセンターから見たインターンシップについて紹介いたします。EDGEでは、キャリア支援システム「エアリーキャンパス」を通じて大学との連携を強化しており、キャリア支援の現場をサポートしています。1DAYインターンシップ解禁後、就活生を指導するキャリアセンターの現場ではどのような変化が起こっているのか、ぜひインターンシップ設計の参考にお役立てください。
早期母集団形成を成功させるインターンシップとは?
大学にとってのインターンシップは、大きく2つに分類されます。
・単位認定を条件とした提携型インターンシップ
・大学の授業とは関係のない公募型インターンシップ
提携型インターンシップを受け入れられる企業を探すため、キャリアセンター内にインターンシップ担当部署を新設する大学も増えています。大学にとって積極的に取り組みたい領域といえます。
一方の公募型インターンシップについては、賛否両論あり、本音と建前が交錯する状況が続いています。
「就業体験を伴わないものや1DAYで完結するプログラムはインターンシップとして認められない」 「インターンシップと名乗り、学生を早期に囲い込む青田買いは許されない」 といった意見が飛び交っています。
大学においても、教員の立場と職員の立場では考え方が大きく異なっています。職員は、就職率を向上させること、また有名企業へ学生を送り出すことが求められます。上場企業への就職率をノルマに設定している大学も増えているのが現状です。教員からすると、就職活動を経験していなケースが多く、「就活=悪」就活は学業の妨げになるという意識が根強いのが実情です。
キャリアセンターを対象としたアンケートでは、公募型インターンシップに対してネガティブな結果が出るケースが多く、大学は1DAYインターンシップに否定的という認識が広がっています。
果たして、大学は1DAYインターンシップに否定的なのでしょうか。学生と直接接触するキャリアセンター職員へのヒアリングを実施しました。 15大学のキャリアセンターへ確認したところ、全大学から1DAYインターンシップに対してポジティブな回答を得ることができました。
「学生には1社でも多くの企業へ訪問して欲しい」
「1DAYインターンシップのおかげで企業と早期に出会える機会が増えた」
「1DAYであっても企業と触れ合うことで入社後のミスマッチ低減につながっている」
という声が多く、キャリアセンターは非常に前向きに公募型インターンシップを受け入れていました。
では、なぜ公募型インターンシップに否定的な声が聞こえてくるのか、本音を伺うことができました。
「キャリアセンターには名誉職としてセンター長などの要職を教員が務めるケースがあります。その教員自身は就活に前向きな人が多いのですが、多数の教員がアンチ就活であり、大学として就活やインターンシップに積極的である印象を与えるようなアクションは取りづらいのが実情。就職情報会社やマスコミからのアンケートに対しても、インターンシップや就活の早期化には否定的な回答をしておいた方が敵を増やさず無難に乗り越えられる、そう忖度してキャリアセンターがネガティブな回答を提出しているケースが圧倒的に多い。現場の本音としては、1社でも多くの企業と出会い、自分にマッチングした企業への就職を決めて欲しいので、公募型インターンシップは大歓迎です。」 という意見を伺いました。
キャリアセンターでは学生へインターンシップ情報を提供することが求められる反面、企業側は「大学は1DAYインターンシップに否定的」という先入観があり、就職サイト等での募集に終始しています。
数年前であれば、お勧めの企業を聞きに来る学生が多く、大学の持つ企業データをもとに紹介していましたが、近年はお勧めのインターンシップを教えて欲しいという問い合わせが増えているといいます。大学職員もお勧めの企業であれば過去の採用実績や企業情報データベースから案内できましたが、インターンシップのプログラムや内容については情報が不足しており、学生へ情報提供することが難しい現状です。
そこで、学生配布用のチラシなどを持参して自社のインターンシッププログラムを紹介してくれる企業については、学生にも案内しやすく非常に助かっているとの声があがっていました。
つまり、企業サイドは「大学は否定的」という先入観を改め、積極的に自社のインターンシッププログラムを紹介することが効果的といえます。
また、1DAYインターンシップ解禁により、大学3年生が提携型より公募型を選択するケースが増えており、提携型インターンシップの募集枠が埋まらず、1~2年生へ案内する傾向が強まっています。大学の中では、3年生は公募型、低年次生(1~2年)には提携型インターンシップを案内すると方針を転換するキャリアセンターが増えています。
企業側も大学との関係強化に重きを置く場合、提携型は低年次生を対象とし、そのうえで3年生へは公募型を案内してもらえるように提案することが求められています。
このように、大学側の実情に見合ったインターンシップ提案を持ち込むことが、早期母集団形成には効果的であるといえます。
インターンシップの意義 「働く」を知る4ステップ(日本経済新聞)
また、大学キャリアセンターからは、「勧められたインターンシップに行ったらLINEを交換させられた」といった相談が寄せられる機会が増えています。志望度が高くない状態で個人情報を伝えることに抵抗感がり、不信感を抱いての相談が増えているとのことです。
大学側も個人情報の取り扱いには年々慎重になっており、無料のSNSツールを用いた学生への接触には否定的な声があがっています。逆に専用の学生管理ツールを導入している企業に対しては、信頼できる優良企業として学生へも積極的に紹介することができるとのことでした。このような背景もあり、インターンシップ後のフォローツールとしてエアリーフレッシャーズを導入する企業が増えています。
ICT活用で学生への情報発信や情報シェアを効率化
学生への情報発信や情報シェアを効率化し、未読・既読など学生の状況が見える化できる管理ツールとして、また学生の個人情報を適切に扱うことができるエアリーフレッシャーズを活用する取り組みが注目を集めています。
働き方改革が注目される昨今、人事担当者にとっても学生にとってもストレスなく最大限の効果が得られる手法を検討されるのはいかがでしょうか。
インターンシップ参加学生の獲得、その後の接点継続やエントリー者の歩留まりを向上させる事例、ノウハウが必要な方はEDGEまでお問い合わせください。